コミュニティ運営におけるトークン活用

コミュニティ運営に活用できる「ファントークン」について解説しています。ファントークン活用のポイントや実際にファントークンを活用した企業の事例も紹介しているので、参考にしてみてください。

ファントークンとは？

ファントークンとは、コミュニティ運営に活用できるデジタル資産です。ブロックチェーン上で発行されるため、所有権の透明性や取引の安全性を確保できるのが魅力。スポーツチームやアイドル、ゲームやブランド、クリエイターなど、ファンが存在する様々なコミュニティで活用できます。

種類別に見るファントークンの活用方法

ファントークンの活用方法は大きく3種類に分けられます。コミュニティ運営の目的によって、相性の良い活用方法は変わってくるため、それぞれの特徴を知っていきましょう。

クラウドファンディング型

ファントークンでクラウドファンディングを行い、プロジェクトや活動の資金を集める方法です。ファンやサポーターはトークンを購入してプロジェクトを支援し、見返りとして特典や報酬を受け取る仕組み。

具体的には「新しいアルバムを制作するバンドが、資金を集めるためにトークンを発行し、購入者に限定コンサートのチケットや特典を提供する」といった活用方法があります。プロジェクトの成功に応じて、トークンの価値が上昇する可能性もあるのがポイントです。

暗号資産型（IEO）

ファントークンを暗号資産取引所に流通させ、資金を調達する方法です。発行したトークンは、暗号資産取引所の厳しい審査をクリアして上場した後に流通する仕組み。一般的な仮想通貨と同じく、トークンの価格は需要と供給に応じて変動します。

具体的には「人気スポーツチームがトークンを発行して暗号資産取引所に上場。トークンを購入したファンはチームの成功に応じてトークンの価格上昇を期待できる」といった活用方法が挙げられます。

コミュニティ型

コミュニティの活発化やエンゲージメント向上を目的とする方法です。トークンを購入したファンに対して特典を付与（例：コミュニティの意思決定に参加する権利や限定イベントに参加する権利、オリジナルアイテムなど）することで、ファンの熱量を高められます。

具体的には「オンラインゲームの開発者がトークンを発行し、プレイヤーがゲームの新機能やイベントについて投票できるようにする。トークン所有者にはゲーム内で使える特別なアイテムや特典を提供する」などの活用方法があります。

コミュニティ運営におけるトークン活用のポイントは？

プロジェクトの資金調達を第一目的とするなら、クラウドファンディング型か暗号資産型（IEO）を選びましょう。既存コミュニティの母数が少ない、または認知度が低い場合、クラウドファンディング型のほうが資金調達しやすい傾向にあります。会社の規模やコミュニティが大きい場合は、暗号資産型（IEO）と相性が良いです。中長期的な視点で、既存ファンのエンゲージメントを高めることを第一に考えている会社はコミュニティ型のファントークンを活用するとよいでしょう。

コミュニティ運営でファントークンを活用した事例

FC琉球「FCRコイン」

沖縄のサッカーチーム「FC琉球」は、エンゲージメントを高めるために「FCRコイン」という独自トークンを発行しました。トークンは、FC琉球の公式パートナーである「FiNANCiE」プラットフォームを通じて提供。購入者は、試合のMVP投票やクラブのイベントに関する意見を表明する権利を持ち、さらに限定グッズの購入やVIPイベントへの招待といった特典を受けられます。ファントークンを活用したことで、ファンの参加意識を高め、クラブへの支持を拡大することに成功。サポーター数は増加し、試合の観客動員数も向上しています。

みずほファイナンシャルグループ「ありがトークン」

みずほファイナンシャルグループは、社内のエンゲージメントを高めるために「ありがトークン」を発行しました。感謝の気持ちを表現する社内通貨として活用しており、特定の行動や貢献をした社員に授与しています。社員は、同僚への感謝や協力に対してありがトークンを送れるほか、受け取ったトークンを特典や報酬と交換することも可能。ファントークンを活用したことで、社員間のコミュニケーション促進や職場のエンゲージメント向上につながっています。